2010年10月05日

旧大島邸は現地保存を 佐賀新聞 私の主張に掲載

佐賀新聞 2010.10.5

私の主張

旧大島邸は現地保存を

小泉 知子(51) 唐津市


 旧大島邸は、解体から全面移築保存の方向で考えわれているようであるが、そこに至るまでの唐津市の対応をみる時、問題だらけの市政運営が浮き彫りになる。
 最大の疑問は、旧大成小学校を仮校舎に使用できないことである。唐津市民なら、誰もが旧大成小を仮校舎にすると思っていたに違いない。それが一番安上がりと知っているからである。
 旧大成小を早稲田佐賀中高一貫校に無償貸与を決める時点で、大志小学校の建て替えの必要性を把握していたはずの唐津市は、大志小の新築工事期間限定で旧大成小を使用する約束をなぜ取り交わしていなかったのであろうか? 旧大成小を仮校舎に使えば、旧大島邸は現地保存のため、ゆっくり時間をかけ「市民の財産」としての活用方法を話し合えたはずである。
 旧大島邸の保存を願う市民運動が起こり、唐津市長の呼び掛けで、懇話会が設置されたようだが、解体を前提に利活用を考える趣旨もまた疑問である。大志小の新築工事以前に、唐津市が旧大島邸の文化財的価値の調査を依頼し、「解体しても差し障りない」との結論で解体を決めたのなら、解体前提で利活用を考えるべきだが、市は何ら調査をしていない。
 旧大島邸の文化財的価値を市民運動によって知るという不手際で、解体前提の懇話会を招集するのは筋違いではないか。加えて、旧大島邸の全面移築保存となれば、新たな多額の税金投入が避けられない。よって、市民は市政運営の不合理で生み出された税金の負担を強いられることになる。
 唐津市は、旧大島邸の敷地内に大志小の新校舎を建築予定で、工事の間は現校舎を使用するため、仮校舎建設費用が浮くということで解体を決めたものである。それなのに、解体決定により多額な全面移築保存費用が予測されるのは皮肉な話である。しかし、文化財的価値の高い先人たちの遺産を引き継ぐのも私たちの大切な役割である。
 私は、旧大島邸の現地保存を強く要請したい。度重なる不手際に押し出されるように、解体移築保存の方向で進もうとしでいる中で、旧高取邸、旧唐津銀行、旧大島邸が三位一体となり、文化遺産として高い評価を受け、点でなく面でとらえた文化遺産となれば、唐津市民の誇れる財産となろう。
 私たちは、正しかった原点に立ち戻り、議論を重ねることを市に根気強く要望しなければならないのではないか。旧高取邸、旧大島邸がそれぞれの場所にある意味を知ることこそが、後世に伝えていくべき私たちの使命だと思う。  (自営業)





明日はいよいよ最後の懇話会が開催されます。
10月6日 13:30~15:30 志道公民館
公開懇話会なので傍聴したい方はどうぞお出かけ下さい。




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Posted by 珠取  at 19:48 │Comments(0)文化・教育

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