2010年12月16日
その後の大島邸 1
11月はおくんちで、こちらのブログはすっかりご無沙汰しておりました。
11月分をまとめて報告いたします。
朝日新聞 2010年11月10日
旧大島邸の移築保存
市教委が建具を外す
監修者に連絡なく
移築保存の方針が決まった唐津市西城内の旧大島邸のふすまと障子など建具約160点が、解体を監修する西和夫・神奈川大名誉教授への連絡がないまま、市教委職員らによって外されていたことが9日、わかった。市民団体「大島邸を保存する会」は同日、市の責任を問う「質問と要望書」を坂井俊之市長あてに提出した。市教委は「解体前の準備作業」と釈明している。
市教委によると10月25日、邸内の16室のふすまと障子約160枚を文化課職員らがジャッキなどを使って取り外して別の場所に保管。8月ごろからは、額縁、ついたて、びょうぶなどの家具5点も取り出して保管していたという。
市教委が設置した「旧大島邸の活用を考える懇話会」(馬渡雅敏会長)は、先月6日にまとめた報告書の中で、「専門家の監修、指導のもとに丁寧な解体保存を行う」と明記。馬渡会長は「懇話会アドバイザーの西名誉教授の監修を受ける」と論議をまとめた。坂井市長も西名誉教授の監修の下での解体の方針を確認していた。
ところが懇話会後、市から西名誉教授への連絡は無く、報告書も送られていなかった。市教委は「ふすまなどの取り外しは、解体前の準備。西名誉教授には解体の日程が決まってから連絡するつもりだった」と釈明している。
これに対して、西名誉教授は朝日新聞の取材に対して、「今後、解体をどう進めるかについて、みんなで知恵を出し、力を合わせなければならない時期。市からは、監修について相談もなく心配になっている」と話した。
また、旧大島邸は今月6日から、邸内の樹木約370本の伐採・移植などの作業が本格化し、既に約20本の立ち木が切られた。庭園にあった高さ約6㍍の常緑のモッコクの木も根本から切られ、これを見た「保存する会」の会員は「見る影もない」と残念がっていた。 (田中良和)
西日本新聞 2010年11月10日
解体情報の連絡徹底を
大島邸を保存する会
唐津市に要望書提出
小学校の校舎新築に伴い移築される唐津市西城内の「旧大島邸」をめぐり、市民団体「大島邸を保存する会」(山崎久美子代表)は9日、市に対し、解体工事に関する情報通達の徹底などを求める要望書を提出した。
同邸の活用法を考えるため10月まで計4回開かれた懇話会では、「懇話会の助言者を務めた西和夫神奈川大名誉教授が解体を監修する」との意見で一致していた。
市は10月25日、邸内の障子やふすま計約160枚を取り外したが、「解体工事の前段階の作業」として西教授に連絡しなかった。
同会は「解体に含まれる」と指摘し、(1)解体工事に関する対応窓口を明確にしてほしい(2)解体に関するすべての情報を西教授に報告すべき-などと要望した。田島龍太市教育副部長は「解体前の準備作業で連絡は必要ないとの判断だった。ふすまなどは正式な方法で丁寧に取り外した」と話した。
朝日新聞 2010年11月19日
旧大島邸庭石移設
きょうから始まる
市教委、「監修者へは連絡」
移築保存の方針が決まった唐津市西城内の旧大島邸の庭園の庭石と灯寵(とうろう)などの移設作業を19日から始めると、同市教委が18日、発表した。
市教委によると、移設されるのは庭石約150個、灯籠10基、石柱と五重塔が各1基。19日に市教委の文化財専門員らが業者が現場で打ち合わせ、庭石などに番号を付ける「番付作業」をした上で、22日から移設するという。
同邸のふすまなどの建具を解体監修者の西和夫・神奈川大名誉教授に連絡しないまま、市教委が取り外したことが問題になったが、今回は、西名誉教授への連絡はすませたという。旧大島邸の解体工事の入札は25日に実施される予定で、12月上旬に着工、来年2月下旬に終える予定になっている。
佐賀新聞 2010年11月22日
旧大島邸、移築作業進む 庭石や樹木を搬出
市民らの要望を受けて移築保存方針が決まった佐賀県唐津市の「旧大島邸」の移設作業が進んでいる。市教委は今月上旬から樹木の移植・伐採を行い、22日には庭石の搬出も始まった。建物は専門家の監修の下、12月上旬から解体される。建材や庭石、移植可能な樹木は2月末までに保存施設や市有地などに移される。
これまでに樹木326本のうち移植が可能な53本をいったん市有地などに移し、搬出や移植が困難なものは伐採した。22日からは飛び石や景石などの庭石約150個のほか、石灯ろう14基、石柱、石塔各1個の搬出が始まった。市教委職員立ち会いの下、造園業者が地中の御影石などを掘り出し、運び出している。
建物の解体は西和夫神奈川大名誉教授が監修し、12月初旬に始まる。既にふすまや障子など建具を保存施設に移した。西名誉教授と市の文化財専門員、業者が取り扱いの注意点や作業手順を確認しながら2月末まで行う。
大島邸の保存とまちづくりを考える講演会のご案内です。
唐津が一番華やぐ唐津神社秋季例大祭「唐津くんち」が11月2.3.4日終わり、唐津の町はまた落ち着いたよい町に戻りました。
おくんちのことは後ほどブログにUPするとして、またまた大島邸で恐縮です。
先月の22日でしたか、佐賀で建築士学会全国大会が開催されました。
その時「大島邸を保存する会」の会員さんが西村さんのまちづくりに対する発表を聞き、感銘を受けられ、是非とも唐津の皆さんに聞いて貰わねばということで、西村さんに唐津の講演をお願いされたそうです。
講師の西村浩氏のプロフィールはこちらです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E6%9D%91%E6%B5%A9
11月23日 祝日です。
13:30開場 14:00開演
唐津市民会館大会議室
西 村 浩 氏
■プロフィール
1967年 佐賀市生まれ
1993年 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了
現在 株式会社ワークヴィジョンズ代表
北海道教育大学芸術過程特任教授
東北大学工学部・日本大学理工学部非常勤講師
建築・土木・まちづくり等、常に「まち」を視野にいれ、分野を超えてモノづくりに取り組むデザイナー。
昨年竣工した北海道の「岩見沢複合駅舎」では、鉄道の街としての記憶を紐解きつつ、市民とともに駅舎
づくりに関わり、日本建築学会賞(作品)、グッドデザイン賞大賞、BCS 賞(建築業協会賞)、鉄道建築協
会賞最優秀作品賞、北海道建築賞、北海道赤レンガ建築賞など多数の賞を受。その他、長崎水辺の森公園(橋
梁群担当)、三重県鳥羽市海辺のプロムナード、広島市平和大橋歩道橋(国際コンペにて最優秀賞受賞後、
現在設計中)等、全国各地で活躍中。
岩見沢複合駅舎|北海道岩見沢市
鳥羽海辺のプロムナード「カモメの散歩道」
まちにとって「変わらない価値」をもつ駅舎とは何か?2005年の「岩見沢駅舎建築デザインコンペ」のお題目である。
考えてみれば、現在の疲弊したまちの様相は「変わり続ける価値」に翻弄され続けてきた結末だ。
2000年12月、3代目岩見沢駅舎消失後、8年余りの時を経てようやく竣工した、市民待望の4代目岩見沢複合駅舎。
「鉄道の街」という岩見沢発祥の記憶を見つめなおし、未来を見据えるこの駅舎は、JR北海道、行政、市民との協働によって誕生した。
建築という枠を超えて「まち再生」に向かう約4年間のプロジェクトの全貌と、これからの建築の可能性、まちの歴史に根ざしたまちづくりにおける市民活動ついて、私見を交えて紹介する。
● 大島邸の未来が心配
やっと残ることになったのに、私たち市民は どう動いていいかわからない
まちの人に声をかけようと思っても、どう声をかけていいかわからない
これまでのように 誰かが決めるのを待っているだけではいけない
だから わたしたちが動きだすための一歩をみつけたい
大島邸の未来に
わたしたちが直接かかわっていく方法をみつけ出したい
西村浩氏を講師に招き、まちづくり活動のあり方と、大島邸保存についてお話をうかがいます。
これは聞きに行かなければなりません。
ということで、新聞記事
毎日新聞 2010年11月22日
講演会:まちづくりテーマ
佐賀出身の建築家、西村氏が
--唐津市民会館
佐賀市出身の建築家・西村浩氏(43)の講演会「大島邸の保存とまちづくりを考える」(大島邸を保存する会主催)が23日午後2時、唐津市民会館で開かれる。
西村氏は東京大学大学院工学系研究科修士課程を修了。現在は設計事務所のワークヴィジョンズ(東京都)代表。焼失した北海道岩見沢市の岩見沢複合駅舎づくりにかかわり、日本建築学会賞やグッドデザイン賞大賞などを受賞している。
講演では「まちづくりをどうするか?」をテーマに、市民と行政が手を携えていくにはどうしたらいいかを、岩見沢市などの事例を紹介しながら話す。
入場料は500円。問い合わせは保存する会の山崎久美子会長090・4510・4127。【原田哲郎】
佐賀新聞 2010年11月24日
市民参加で歴史の記憶を未来へ まちづくり講演会
旧大島邸の保存運動を契機に、唐津市の歴史遺産を生かしたまちづくりを考えようと、佐賀市出身の建築家西村浩さん(43)を迎えた講演会が23日、唐津市民会館で開かれた。西村さんは「市民参加で過去を掘り起こし、未来へ受け継ぐ努力を」と提言した。
西村さんは「かつては街の歴史が個性だったのに、高度成長期の均質な整備で市街地はどこも似たように衰退した」と指摘。「断絶された歴史の記憶をつないでいくのが私たちの役割」として、市民や行政と連携して手掛けた北海道の岩見沢駅や三重県鳥羽市の海辺のプロムナード整備などを紹介した。
そのうえで、「市民協働の手法で仲間が広がり、まちづくりに“自走力”が生まれた。地域のアイデンティティーを取り戻すには、市民の力が欠かせない」と訴えた。講演会は「大島邸を保存する会」(山崎久美子会長)が企画、約50人が参加した。
読売新聞 2010年11月23日
旧大島邸庭石
移設始まる
唐津市西城内の大志小学校舎改築に伴って移築保存される旧大島邸で、庭石類の移設が22日から始まった。
12月上旬までに終了。この後、建物の解体に入り、来年2月頃まで行われる予定。
庭石類は、邸内を歩く際の飛び石、庭から家へ入る際の靴脱ぎ石、灯籠、石塔など約170個。大半が御影石製で、大きいものは4,5トンもあるという。いずれも業者が前もって番号を貼り付けたうえ、北と南側に赤い印を付けており、再現しやすいようにしている。
この日は、作業員が庭石類にロープなどをかけて、4トントラックのクレーンでつり上げ、二台に慎重に載せていた。
朝日新聞 2010年11月25日
大志小の改築工事
12年度にずれ込み
唐 津 市
唐津市は24日、来年度までに終える予定だった市立大志小学校の改築工事が遅れ、2012年度までずれ込むと発表した。隣接する旧大島邸解体を巡る協議などに時間がかかったためと説明している。
市によると、大志小の改築工事は10月に着工の予定だったが、来年1月着工に変更。今年度は、移築保存が決まった旧大島邸の「慎重な解体」を中心に工事を進め、小学校の校舎新築の本格工事は来年度に回す。旧校舎の解体を含めた工事が終わるのは12年9月の予定。総事業費約12億7600万円に変更はなく、新校舎での授業開始は予定通り12年4月1日という。
改築工事の入札は17日にあり、唐津土建・井手共同企業体(JV)が約6億7千万円で落札している。
NHK佐賀 2010年12月7日
旧大島邸解体始まる
移築することが決まった唐津市にある明治中期の和風建築、旧大島邸の解体作業が7日から始まりました。
唐津市にある「旧大島邸」は明治中期の和風建築で隣接する小学校の改築のため取り壊される予定ですが保存を求める住民などの意見を受けて市は別の場所に移築して保存する方針を決めています。
7日は市や土木建築の関係者などが集まり、建物の解体が安全に進むよう祈願しました。
このあと解体作業を監修する建築史学会の元会長で神奈川大学の西和夫名誉教授が柱などに番号などを書き込んでいく番付打初式と呼ばれる作業を行い解体作業がスタートしました。
建物の解体は来年2月末までかかるということで西名誉教授は「一つ一つの作業を慎重に進めて行きたい」と話していました。
12月07日 20時24分
佐賀新聞 2010年12月8日
「旧大島邸」解体始まる
2月末までに完了予定
移築保存の方針が決まった佐賀県唐津市の明治期の木造建築物「旧大島邸」の解体工事が7日、始まった。2月末までの予定で、西和夫神奈川大名誉教授が監修する。着手は当初計画から5カ月遅れたが、解体後に建設される大志小の新校舎は、予定通り2011年度内に完成できるという。
旧大島邸は一部2階建て、延べ床面積約450平方メートル。建材はすべて保管し、土壁は崩して再利用する。作業員10~15人に加え、西名誉教授と同大の研究生ら5人が常時交代で監修する。
瓦などの構造物や建材を上から順に取り外し、木材には位置や方角を示す番付と呼ばれる札を打ちつける。外側に見える木材は梱包(こんぽう)し、市内の保管場所に運ぶ。解体工事費は4300万円。
7日は安全祈願があった。神事の後、監修メンバーが作業に取りかかる番付打ち始め式を行い、作業手順を確認した。西名誉教授は「小学校改築に支障をきたさないよう、段取りを工夫して無駄なく取りかかりたい」と話した。
朝日新聞 2010年12月8日
移築保存の旧大島邸
柱に番付札
解体始まる
移築保存が決まった唐津市西城内の旧大島邸を解体する工事が7日、始まった。解体作業を監修する西和夫・神奈川大名誉教授らがさっそく、番号を書いた「番付札」を柱に取り付けた。
旧大島邸は、明治時代中期の和風住宅で、木造平屋一部2階建てで延べ床面積約450平方㍍。解体作業は「映画のフィルムを逆回しするように、建てたときとは逆に作業を進める」(西名誉教授)。瓦から始めて、天井板や柱など約5千点の部材をすべて外して別の場所に保管し、移築場所に運んで組み立てる。その最初の作業が、柱に「い一」などの番号札を付ける「番付打初式」だ。
工事は11月25日の入札で、唐津土建が約4300万円で請け負うことが決まった。実際に作業を進める10~15人の大工が、西名誉教授らの監修を受けながら、部材に傷をつけないよう作業を進める。
西名誉教授は「一番大事なのは、建物を再現すること。いまは、ほどくのが始まっただけ」と話した。解体は来年2月末までに終える予定だ。
毎日新聞 2010年12月9日
旧大島邸:解体始まる 部材「番付札」取り付け
移築保存される唐津市西城内の和風建築・旧大島邸の解体工事が始まった。現在は解体を監修する西和夫神奈川大名誉教授らが部材の位置を示す「番付札」の取り付け作業を進めている。解体工事は来年2月までに終える予定。
作業は西名誉教授ら監修メンバー6人と解体業者10~15人が柱や天井板などに「い一」などと書いた札を取り付けている。部材は約5000点あり、すべて外して別の場所に保管される。
同邸は旧唐津銀行頭取など務めた大島小太郎の自邸。明治時代中期の和風住宅で木造一部2階建て、延べ床面積約450平方メートル。【原田哲郎】
議会が始まりました。
気になりますね。
佐賀新聞 2010年12月11日
旧大島邸の移築
財政と整合性を
唐津市
唐津市議会では、旧大島邸の問題などについて、5議員が質問した。
旧大島邸は小学校改築に伴う解体が市議会で決まっていたが、市は反対運動の高まりから懇話会を設置、移築保存に向け基本構想をまとめることに方針転換した。
これに対し「3月議会で保存を求める請願は不採択だったのに、議会が知らされないまま保存が決まっている。大きな方針転換が市役所内でも十分に論議されていない。多額の支出が必要となる保存は将来の財政計画とも整合性がとれなくなる」との指摘があった。
大谷正広教育部長は「議会への配慮が足りなかった」と陳謝したうえで、「今後は基本構想の検討委員会で十分検討し、議会の理解を求めたい」とした。
現状の大島邸をご覧ください。
11月分をまとめて報告いたします。
朝日新聞 2010年11月10日
旧大島邸の移築保存
市教委が建具を外す
監修者に連絡なく
移築保存の方針が決まった唐津市西城内の旧大島邸のふすまと障子など建具約160点が、解体を監修する西和夫・神奈川大名誉教授への連絡がないまま、市教委職員らによって外されていたことが9日、わかった。市民団体「大島邸を保存する会」は同日、市の責任を問う「質問と要望書」を坂井俊之市長あてに提出した。市教委は「解体前の準備作業」と釈明している。
市教委によると10月25日、邸内の16室のふすまと障子約160枚を文化課職員らがジャッキなどを使って取り外して別の場所に保管。8月ごろからは、額縁、ついたて、びょうぶなどの家具5点も取り出して保管していたという。
市教委が設置した「旧大島邸の活用を考える懇話会」(馬渡雅敏会長)は、先月6日にまとめた報告書の中で、「専門家の監修、指導のもとに丁寧な解体保存を行う」と明記。馬渡会長は「懇話会アドバイザーの西名誉教授の監修を受ける」と論議をまとめた。坂井市長も西名誉教授の監修の下での解体の方針を確認していた。
ところが懇話会後、市から西名誉教授への連絡は無く、報告書も送られていなかった。市教委は「ふすまなどの取り外しは、解体前の準備。西名誉教授には解体の日程が決まってから連絡するつもりだった」と釈明している。
これに対して、西名誉教授は朝日新聞の取材に対して、「今後、解体をどう進めるかについて、みんなで知恵を出し、力を合わせなければならない時期。市からは、監修について相談もなく心配になっている」と話した。
また、旧大島邸は今月6日から、邸内の樹木約370本の伐採・移植などの作業が本格化し、既に約20本の立ち木が切られた。庭園にあった高さ約6㍍の常緑のモッコクの木も根本から切られ、これを見た「保存する会」の会員は「見る影もない」と残念がっていた。 (田中良和)
西日本新聞 2010年11月10日
解体情報の連絡徹底を
大島邸を保存する会
唐津市に要望書提出
小学校の校舎新築に伴い移築される唐津市西城内の「旧大島邸」をめぐり、市民団体「大島邸を保存する会」(山崎久美子代表)は9日、市に対し、解体工事に関する情報通達の徹底などを求める要望書を提出した。
同邸の活用法を考えるため10月まで計4回開かれた懇話会では、「懇話会の助言者を務めた西和夫神奈川大名誉教授が解体を監修する」との意見で一致していた。
市は10月25日、邸内の障子やふすま計約160枚を取り外したが、「解体工事の前段階の作業」として西教授に連絡しなかった。
同会は「解体に含まれる」と指摘し、(1)解体工事に関する対応窓口を明確にしてほしい(2)解体に関するすべての情報を西教授に報告すべき-などと要望した。田島龍太市教育副部長は「解体前の準備作業で連絡は必要ないとの判断だった。ふすまなどは正式な方法で丁寧に取り外した」と話した。
朝日新聞 2010年11月19日
旧大島邸庭石移設
きょうから始まる
市教委、「監修者へは連絡」
移築保存の方針が決まった唐津市西城内の旧大島邸の庭園の庭石と灯寵(とうろう)などの移設作業を19日から始めると、同市教委が18日、発表した。
市教委によると、移設されるのは庭石約150個、灯籠10基、石柱と五重塔が各1基。19日に市教委の文化財専門員らが業者が現場で打ち合わせ、庭石などに番号を付ける「番付作業」をした上で、22日から移設するという。
同邸のふすまなどの建具を解体監修者の西和夫・神奈川大名誉教授に連絡しないまま、市教委が取り外したことが問題になったが、今回は、西名誉教授への連絡はすませたという。旧大島邸の解体工事の入札は25日に実施される予定で、12月上旬に着工、来年2月下旬に終える予定になっている。
佐賀新聞 2010年11月22日
旧大島邸、移築作業進む 庭石や樹木を搬出
市民らの要望を受けて移築保存方針が決まった佐賀県唐津市の「旧大島邸」の移設作業が進んでいる。市教委は今月上旬から樹木の移植・伐採を行い、22日には庭石の搬出も始まった。建物は専門家の監修の下、12月上旬から解体される。建材や庭石、移植可能な樹木は2月末までに保存施設や市有地などに移される。
これまでに樹木326本のうち移植が可能な53本をいったん市有地などに移し、搬出や移植が困難なものは伐採した。22日からは飛び石や景石などの庭石約150個のほか、石灯ろう14基、石柱、石塔各1個の搬出が始まった。市教委職員立ち会いの下、造園業者が地中の御影石などを掘り出し、運び出している。
建物の解体は西和夫神奈川大名誉教授が監修し、12月初旬に始まる。既にふすまや障子など建具を保存施設に移した。西名誉教授と市の文化財専門員、業者が取り扱いの注意点や作業手順を確認しながら2月末まで行う。
大島邸の保存とまちづくりを考える講演会のご案内です。
唐津が一番華やぐ唐津神社秋季例大祭「唐津くんち」が11月2.3.4日終わり、唐津の町はまた落ち着いたよい町に戻りました。
おくんちのことは後ほどブログにUPするとして、またまた大島邸で恐縮です。
先月の22日でしたか、佐賀で建築士学会全国大会が開催されました。
その時「大島邸を保存する会」の会員さんが西村さんのまちづくりに対する発表を聞き、感銘を受けられ、是非とも唐津の皆さんに聞いて貰わねばということで、西村さんに唐津の講演をお願いされたそうです。
講師の西村浩氏のプロフィールはこちらです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E6%9D%91%E6%B5%A9
11月23日 祝日です。
13:30開場 14:00開演
唐津市民会館大会議室
西 村 浩 氏
■プロフィール
1967年 佐賀市生まれ
1993年 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了
現在 株式会社ワークヴィジョンズ代表
北海道教育大学芸術過程特任教授
東北大学工学部・日本大学理工学部非常勤講師
建築・土木・まちづくり等、常に「まち」を視野にいれ、分野を超えてモノづくりに取り組むデザイナー。
昨年竣工した北海道の「岩見沢複合駅舎」では、鉄道の街としての記憶を紐解きつつ、市民とともに駅舎
づくりに関わり、日本建築学会賞(作品)、グッドデザイン賞大賞、BCS 賞(建築業協会賞)、鉄道建築協
会賞最優秀作品賞、北海道建築賞、北海道赤レンガ建築賞など多数の賞を受。その他、長崎水辺の森公園(橋
梁群担当)、三重県鳥羽市海辺のプロムナード、広島市平和大橋歩道橋(国際コンペにて最優秀賞受賞後、
現在設計中)等、全国各地で活躍中。
岩見沢複合駅舎|北海道岩見沢市
鳥羽海辺のプロムナード「カモメの散歩道」
まちにとって「変わらない価値」をもつ駅舎とは何か?2005年の「岩見沢駅舎建築デザインコンペ」のお題目である。
考えてみれば、現在の疲弊したまちの様相は「変わり続ける価値」に翻弄され続けてきた結末だ。
2000年12月、3代目岩見沢駅舎消失後、8年余りの時を経てようやく竣工した、市民待望の4代目岩見沢複合駅舎。
「鉄道の街」という岩見沢発祥の記憶を見つめなおし、未来を見据えるこの駅舎は、JR北海道、行政、市民との協働によって誕生した。
建築という枠を超えて「まち再生」に向かう約4年間のプロジェクトの全貌と、これからの建築の可能性、まちの歴史に根ざしたまちづくりにおける市民活動ついて、私見を交えて紹介する。
● 大島邸の未来が心配
やっと残ることになったのに、私たち市民は どう動いていいかわからない
まちの人に声をかけようと思っても、どう声をかけていいかわからない
これまでのように 誰かが決めるのを待っているだけではいけない
だから わたしたちが動きだすための一歩をみつけたい
大島邸の未来に
わたしたちが直接かかわっていく方法をみつけ出したい
西村浩氏を講師に招き、まちづくり活動のあり方と、大島邸保存についてお話をうかがいます。
これは聞きに行かなければなりません。
ということで、新聞記事
毎日新聞 2010年11月22日
講演会:まちづくりテーマ
佐賀出身の建築家、西村氏が
--唐津市民会館
佐賀市出身の建築家・西村浩氏(43)の講演会「大島邸の保存とまちづくりを考える」(大島邸を保存する会主催)が23日午後2時、唐津市民会館で開かれる。
西村氏は東京大学大学院工学系研究科修士課程を修了。現在は設計事務所のワークヴィジョンズ(東京都)代表。焼失した北海道岩見沢市の岩見沢複合駅舎づくりにかかわり、日本建築学会賞やグッドデザイン賞大賞などを受賞している。
講演では「まちづくりをどうするか?」をテーマに、市民と行政が手を携えていくにはどうしたらいいかを、岩見沢市などの事例を紹介しながら話す。
入場料は500円。問い合わせは保存する会の山崎久美子会長090・4510・4127。【原田哲郎】
佐賀新聞 2010年11月24日
市民参加で歴史の記憶を未来へ まちづくり講演会
旧大島邸の保存運動を契機に、唐津市の歴史遺産を生かしたまちづくりを考えようと、佐賀市出身の建築家西村浩さん(43)を迎えた講演会が23日、唐津市民会館で開かれた。西村さんは「市民参加で過去を掘り起こし、未来へ受け継ぐ努力を」と提言した。
西村さんは「かつては街の歴史が個性だったのに、高度成長期の均質な整備で市街地はどこも似たように衰退した」と指摘。「断絶された歴史の記憶をつないでいくのが私たちの役割」として、市民や行政と連携して手掛けた北海道の岩見沢駅や三重県鳥羽市の海辺のプロムナード整備などを紹介した。
そのうえで、「市民協働の手法で仲間が広がり、まちづくりに“自走力”が生まれた。地域のアイデンティティーを取り戻すには、市民の力が欠かせない」と訴えた。講演会は「大島邸を保存する会」(山崎久美子会長)が企画、約50人が参加した。
読売新聞 2010年11月23日
旧大島邸庭石
移設始まる
唐津市西城内の大志小学校舎改築に伴って移築保存される旧大島邸で、庭石類の移設が22日から始まった。
12月上旬までに終了。この後、建物の解体に入り、来年2月頃まで行われる予定。
庭石類は、邸内を歩く際の飛び石、庭から家へ入る際の靴脱ぎ石、灯籠、石塔など約170個。大半が御影石製で、大きいものは4,5トンもあるという。いずれも業者が前もって番号を貼り付けたうえ、北と南側に赤い印を付けており、再現しやすいようにしている。
この日は、作業員が庭石類にロープなどをかけて、4トントラックのクレーンでつり上げ、二台に慎重に載せていた。
朝日新聞 2010年11月25日
大志小の改築工事
12年度にずれ込み
唐 津 市
唐津市は24日、来年度までに終える予定だった市立大志小学校の改築工事が遅れ、2012年度までずれ込むと発表した。隣接する旧大島邸解体を巡る協議などに時間がかかったためと説明している。
市によると、大志小の改築工事は10月に着工の予定だったが、来年1月着工に変更。今年度は、移築保存が決まった旧大島邸の「慎重な解体」を中心に工事を進め、小学校の校舎新築の本格工事は来年度に回す。旧校舎の解体を含めた工事が終わるのは12年9月の予定。総事業費約12億7600万円に変更はなく、新校舎での授業開始は予定通り12年4月1日という。
改築工事の入札は17日にあり、唐津土建・井手共同企業体(JV)が約6億7千万円で落札している。
NHK佐賀 2010年12月7日
旧大島邸解体始まる
移築することが決まった唐津市にある明治中期の和風建築、旧大島邸の解体作業が7日から始まりました。
唐津市にある「旧大島邸」は明治中期の和風建築で隣接する小学校の改築のため取り壊される予定ですが保存を求める住民などの意見を受けて市は別の場所に移築して保存する方針を決めています。
7日は市や土木建築の関係者などが集まり、建物の解体が安全に進むよう祈願しました。
このあと解体作業を監修する建築史学会の元会長で神奈川大学の西和夫名誉教授が柱などに番号などを書き込んでいく番付打初式と呼ばれる作業を行い解体作業がスタートしました。
建物の解体は来年2月末までかかるということで西名誉教授は「一つ一つの作業を慎重に進めて行きたい」と話していました。
12月07日 20時24分
佐賀新聞 2010年12月8日
「旧大島邸」解体始まる
2月末までに完了予定
移築保存の方針が決まった佐賀県唐津市の明治期の木造建築物「旧大島邸」の解体工事が7日、始まった。2月末までの予定で、西和夫神奈川大名誉教授が監修する。着手は当初計画から5カ月遅れたが、解体後に建設される大志小の新校舎は、予定通り2011年度内に完成できるという。
旧大島邸は一部2階建て、延べ床面積約450平方メートル。建材はすべて保管し、土壁は崩して再利用する。作業員10~15人に加え、西名誉教授と同大の研究生ら5人が常時交代で監修する。
瓦などの構造物や建材を上から順に取り外し、木材には位置や方角を示す番付と呼ばれる札を打ちつける。外側に見える木材は梱包(こんぽう)し、市内の保管場所に運ぶ。解体工事費は4300万円。
7日は安全祈願があった。神事の後、監修メンバーが作業に取りかかる番付打ち始め式を行い、作業手順を確認した。西名誉教授は「小学校改築に支障をきたさないよう、段取りを工夫して無駄なく取りかかりたい」と話した。
朝日新聞 2010年12月8日
移築保存の旧大島邸
柱に番付札
解体始まる
移築保存が決まった唐津市西城内の旧大島邸を解体する工事が7日、始まった。解体作業を監修する西和夫・神奈川大名誉教授らがさっそく、番号を書いた「番付札」を柱に取り付けた。
旧大島邸は、明治時代中期の和風住宅で、木造平屋一部2階建てで延べ床面積約450平方㍍。解体作業は「映画のフィルムを逆回しするように、建てたときとは逆に作業を進める」(西名誉教授)。瓦から始めて、天井板や柱など約5千点の部材をすべて外して別の場所に保管し、移築場所に運んで組み立てる。その最初の作業が、柱に「い一」などの番号札を付ける「番付打初式」だ。
工事は11月25日の入札で、唐津土建が約4300万円で請け負うことが決まった。実際に作業を進める10~15人の大工が、西名誉教授らの監修を受けながら、部材に傷をつけないよう作業を進める。
西名誉教授は「一番大事なのは、建物を再現すること。いまは、ほどくのが始まっただけ」と話した。解体は来年2月末までに終える予定だ。
毎日新聞 2010年12月9日
旧大島邸:解体始まる 部材「番付札」取り付け
移築保存される唐津市西城内の和風建築・旧大島邸の解体工事が始まった。現在は解体を監修する西和夫神奈川大名誉教授らが部材の位置を示す「番付札」の取り付け作業を進めている。解体工事は来年2月までに終える予定。
作業は西名誉教授ら監修メンバー6人と解体業者10~15人が柱や天井板などに「い一」などと書いた札を取り付けている。部材は約5000点あり、すべて外して別の場所に保管される。
同邸は旧唐津銀行頭取など務めた大島小太郎の自邸。明治時代中期の和風住宅で木造一部2階建て、延べ床面積約450平方メートル。【原田哲郎】
議会が始まりました。
気になりますね。
佐賀新聞 2010年12月11日
旧大島邸の移築
財政と整合性を
唐津市
唐津市議会では、旧大島邸の問題などについて、5議員が質問した。
旧大島邸は小学校改築に伴う解体が市議会で決まっていたが、市は反対運動の高まりから懇話会を設置、移築保存に向け基本構想をまとめることに方針転換した。
これに対し「3月議会で保存を求める請願は不採択だったのに、議会が知らされないまま保存が決まっている。大きな方針転換が市役所内でも十分に論議されていない。多額の支出が必要となる保存は将来の財政計画とも整合性がとれなくなる」との指摘があった。
大谷正広教育部長は「議会への配慮が足りなかった」と陳謝したうえで、「今後は基本構想の検討委員会で十分検討し、議会の理解を求めたい」とした。
現状の大島邸をご覧ください。